2011/11/19

ヒーローショー




井筒監督作品、
ヒーローショーを観ました。







ヒーローショー

監督:井筒和幸
脚本:吉田康弘、羽原大介、井筒和幸
出演者:後藤淳平、福徳秀介、他

面白さ:★★★★
カッコよさ:★
ヒーロー度:★

現実にヒーローなんていない

パッチギ!などで知られ、タレントとしても活躍する井筒監督の作品です。
あれだけ監督自身が有名でパッチギ!という大作も作り上げた井筒監督ですが、
ミニシアター系といえるような作品を未だに撮るということに驚きました。

そのため主演のジャルジャル以外、ほとんどキャストは知りません。
ジャルジャルに至っても若手芸人であり俳優経験はほとんどないはずです。


この作品のタイトルはヒーローショーであり、主人公のバイトもヒーローショーの雑魚役。
しかし作品タイトルがヒーローショーなのは出てくる人物達への皮肉とも言えるでしょう。
この作品にはヒーローといえる人物が出てきません。
それどころかダメな人間ばかりが出てきて、話もどうしようもない方向へといってしまう。

福留演じる、主人公のユウキはお笑い芸人の卵。
とにかくダメ人間でバイトもクビ。PC内の2次元の妹と会話して癒される。
バイトがないのでとりあえず元相方が働くヒーローショーのバイトに参加する。

そんなバイト先のメンバー間で女を巡ってのトラブルが発生し、争いごとに発展する。
その被害にあったのが元相方で、元相方は浮気相手の男に報復するため、
極悪な友人を観方につけて浮気相手をボコボコにする。

今度はボコボコにされた男が元相方に報復しようと地元の頼れる仲間に相談。
そこで出てきたのが後藤演じる、元自衛隊隊員の勇気。
ユウキ&元相方達vs勇気&浮気相手達の喧嘩が始まるが、
その結末はあらぬ方向へと展開していく。というストーリー。

普通の映画ならダメダメな主人公がいて、自分が、仲間が窮地に立ったときは
何かがきっかけで覚醒し、窮地を脱出して主人公が成長していくものです。
しかしこの作品ではそれが全くありません。

他の映画ならここはこうゆう展開しちゃうんだろうなーってとこを
あえて現実的に何も起こさないという所が一つの演出であり、裏切られます。

そうゆう点は逆に凄いなーと思わされます。


とにかくダメ人間がいっぱい出てきて、ほんとどうしようもないことに巻き込まれていく。
誰かが救ってくれるわけでもなく、 自分自身が成長するわけでもなく時は流れる。
そんな映画です。

決して観ていて面白い!楽しい!といった映画でもないですが、
観終わった後に考えさせられるものはあります。
賛否両論になることは間違いない映画ですが、
パッチギ!同様何か伝えたいものがある作品なんだと思えて私は好きです。





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